母になったから、母に「ありがとう」を伝えられた。母娘3代の台湾旅行記

Sponsored
s_DSC_0910


母の愛の本当の意味は、母になって初めてわかるもの。

これは母娘3代と、ときどき二人のお父さんの2泊3日台湾旅行記です。

 

■旅行のきっかけは突然訪れた

 

「じゃあ、マコちゃんが大きくなったら旅行に連れて行ってね。」

 

私が幼いころ、母が私によく言っていた言葉だ。

 

母が宿題を手伝ってくれたとき、父に内緒で、母子2人で遊園地に遊びに行ったとき、私が「がんばったママにお返しする!」と張り切ると、決まって母はそう言うのであった。

 

いま私は32歳になり、4歳になる娘を育てている。

 

子どもの成長は早い。

 

ついこの前産まれたと思ったら、すぐによちよちと地面を履いはじめ、気づいたら自我が芽生え暴君のごとく暴れまわっていた。

 

そして近頃は優しさを覚えたらしい。

 

4b06752ae62d7f4f4f153f85ef8a47dc_s

 

10月のある休日の昼過ぎ、娘が近所の公園で収穫したコスモスの花をプレゼントしてくれた。公園に連れてきてくれたお返しだという。

 

こんな技をどこで覚えたのだろうと感心しながら、私は母の言葉を思い出した。

 

「じゃあ、マコちゃんが大きくなったら旅行に連れて行ってね。」

 

親から子へ注ぐ優しさは、親自身も抗えない本能だ。お返しなどいらない。

 

でも子どもの優しさを無下にしたら、それこそ母親失格だ。

 

子どもの優しさを受け止めつつ、大人になる子どもに希望を託す、誰も傷つけない言葉が母の言葉だった。

 

そして私は「ありがとう、今度おばあちゃんと旅行に行こうか。」と唐突な返事を娘にするのであった。

 

■親子3代台湾へ

 

行先は台湾に決めた。

 

母は近場の温泉でいいと言ったが、そこは譲らないことにした。

 

母は来年で60歳になり、娘はあと2年で小学校に上がる。

 

親子3代で海外旅行に行けるチャンスはもう一度あるかないかだと思ったのだ。

 

母よりも駄々をこねる父も説得し、両親、私と夫、娘の親子3代、5人での2泊3日台湾旅行が決まった。

 

日どりは2月の上旬だ。

 

 

現地でのケガや病気でも、日本語で救急医療の対応してくれるサポートがあるのは、今回の旅行のハードルをかなり下げてくれたように思う。

 

エコノミークラスでも事前座席指定ができるのも、大人数の旅行では助かった。

 

■台湾へ

 

羽田空港から4時間のフライトで、台北松山空港に到着。MRTでホテルの最寄駅へ向かう。

 

今回宿泊するのはホテル・ロイヤル・ニッコー・タイペイだ。

 

 

33_0_large

 

父が現地の料理に苦言する可能性を考慮し、日本食も出してくれるこのホテルを選んだ。

 

初日は昼過ぎにホテルに到着したため、ホテルで荷を下ろして一休みするともう夕方だった。

 

s_豪華客房雙人床-床景

 

初日の夜は5人でシーリン夜市を探索することに決めている。

 

■台湾初日の夜

 

MRTで最寄駅の剣タン駅へ向かうと、シーリン夜市の入り口はすぐそこだった。

 

s_DSC_0876

 

食べ物の屋台だけでなく、昭和を思わせる子供向けのゲーム屋台もずらりと並んでいる。

 

ここで意外なヒーローが現れた。父だ。

 

娘以上に目を輝かせながらボール投げや金魚すくいを楽しみ、次々と景品を娘に与えていくその姿はさながら昭和のガキ大将だ。

 

最年長者がご機嫌になり、家族全員もなごやかな雰囲気に包まれる。

 

旅行が始まったなと実感した瞬間だった。

 

地下に潜るとびっしりと食べ物屋台が軒を連ねていた。

 

s_DSC_0857

 

名物は娘の顔よりも大きいフライドチキンだ。家族の中で唯一このモンスターを消化し切れる夫がそれを購入し、娘の顔の横にチキンを並べて写真を撮っていた。

 

娘はというと、至る所で地雷のように現れる臭豆腐のにおいにすっかりやられてしまったらしい。

 

私と母はまず席を確保し、牡蠣の卵とじや魯肉飯、牛肉麺、豚の煮込み、小龍包などを忙しく買い集め即席の食卓を用意した。

 

s_IMG-0150

 

s_IMG-0153

 

台湾では屋外で飲酒ができない。

 

晩酌が日課の父も今日はお酒を我慢し、ようやく家族で台湾旅行一回目の食事にありついた。

 

s_DSC_0896

 

料理は外れがなく、どれも本当に美味しい。

 

滅多にない5人で囲う食卓で、普段できない話や、両親の思い出話に花が咲くかと思いきや、あれも美味しい、これも美味しいという、親子3代食い意地の張った会話で台湾旅行初日の夜は過ぎていった。

 

 

■2日目

 

s_朝食[RoyalTaipei] IMG_1889

 

 

旅行の計画を立てているとき、台湾に行くからには九フンに行きたいが、足腰が弱り始めている両親を坂道や階段が多い九フンに連れて行くことには抵抗があり、その打開策がなかなか見つからず悩んでいた。

 

 

午前中は台北101展望台で台北市内の風景を一望。

 

s_S__31580182

 

眼下に広がる街並みはもちろんのこと、じっとりとした台湾の空気も目に映るようである。

 

ダンパーという免震装置が鑑賞できるようになっており、得体のしれない巨大な球体が最後の砦のように釣り下がっていた。

 

再び地上に降り、龍山寺へ足を延ばす。

 

s_龍山寺 BT

 

龍山寺は日本の寺院と似たかたちをしてはいるものの、そこにはわびさび的な思慮深さはなく、むしろ華美な華やかさを盛大に主張している。仏教、道教、儒教の三大宗教を含み合わせて百余りの神様を祀っているというその寺院は、もはやお祭り状態だ。

 

s_龍山寺1 (4)m

 

昼食は昨晩のローカルな夜市での食事とはうって変わって、5つ星レストラン點水樓で優雅にいただくことに。

 

s_IMG_5806

 

ずっしりとした店構えと、ザ・高級中華という店内の装飾に男性陣は緊張の面持ちで、折角の一流料理も味わえないという様子。お会計のときは冷や汗すら垂らしていたが、そもそも台湾の物価は安いため、金額を聞いた後は安堵の表情だった。

 

s_IMG_5801

 

ここから、両親は故宮博物院へ向かい、私と夫と娘は九フンへ。

 

■九フンへ

 

九フンは隠れ里のように山の上に位置している。グネグネと曲がりくねった道を現地のドライバーが手慣れた運転でぐんぐんとよじ登っていく。

 

 

 

s_DSC_0886

 

九フン到着後はマップをもらい自由に散策。日本語を話すガイドが同行してくれるので、2時間を使ってコンパクトに見どころをまわることができた。

 

s_P1000752

 

行く前は2時間だと少々短いのでは?と思っていたが、実際に行ってみるととにかく人と階段が多く体力の消耗が激しい。2時間で十分楽しみきった。

 

s_DSC_0931

 

夕刻、九フンを出発して再び市内へ戻り、好記というレストランで夕食をとった。

 

■合流

 

夕食後、ホテルで両親と合流し本日の感想報告会が開催された。

 

両親は少々疲れの色は見えるものの、故宮博物院で見てきた台湾の歴史を彩る至宝について熱っぽく語ってくれた。

 

九フンで私は両親にプレゼントを購入した。名前を書いてお店のおばさんに渡すと、その装飾文字(花文字という)をその場で紙に描いてくれるお店があったので、そこで両親の名前を描いてもらったのだ。

 

私は母に「ありがとう、今までのお返し。」と言って名前の描かれた花文字を渡した。

 

旅先の地で、母は「ありがとう。」と一言いってそれを受け取った。

 

母は目を細めて、満足げな、嬉しそうな表情をこちらに向けていた。

 

私は「今までのお返し。」と言って渡しながら、母からもらったものは返しきれるような大きさじゃないなと、ひしと感じたのであった。

 

 

■最終日

 

この日は荷物をまとめたら早々に空港へ向かい帰国するだけの予定だ。

 

s_33_70_large

 

荷物を一通りまとめ終え、空港までのルートを調べている間、昨晩母に渡した名前が描かれた花文字を娘が見ながら、真剣な面持ちでその模写をしていた。

 

その様子を、母は昨晩と同じように目を細めて見守っているのであった。

 

親から子へ注ぐ優しさにお返しはいらない。

 

その愛を、次の世代へ注いであげればいい。

 

 

 

 

友達にシェアする!